『　高く　遠く　』

『　高く　遠く　』

『一人ひとりが、一回きりの「人生」を生きる』ことをテーマに、緊張感ある造形で表現しました。

この作品で、私がかたちのモチーフとしたのは石を割るときに用いる「矢」（楔・くさび）でした。
およそ三角形と言えるまでに、単純化した矢のかたちの中に、見て下さる方が、意識の上で上るための階段を造形しました。

この矢という道具は、一つの石の塊を真っ二つに割るのに用います。
強い打撃の力を加えれば石は一瞬にして割れる。
そんな大変化の可能性をはらんで、矢が石の上に屹立するような、緊張感のある「生」を表現したいと思いました。

私は、人の一生は、大なことから日々の小なことまで、決断の上に成り立っていると考えているからです。

創作しながら私自身が、大変化の可能性を秘めた自分自身の人生を謳歌する、昇華する気持ちを味わいました。

人間に生まれることができたからには、心は常に自由に「高く　遠く」を目指して生きていく！

この作品を見て下さる方にも、そういう「元気」が届きますように！


H52×W45×D17（cm）
インド産黒御影石
2009.04
Photo by TETSURO CHIHARADA
　　　　　　　　　　　　　　　　
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